健康な歯を保つ食習慣
よくかんで食べる
ファストフードと和食のカロリーはほぼ同じですが、かむ回数はファストフード562回、和食1019回と大きく違います。
若い人が好きな食べ物としてあげる、カレーライスやラーメン、ハンバーグなどは、素材に多くの手を加え、あまりかまなくても食べられる料理です。これらを中心とした食生活により、よくかまないで食べる習慣が身につくと、徐々にむし歯を防ぐだ液の分泌が減ってきます。食材や料理は、かみごたえのあるものを選ぶことで、よくかむようになり、むし歯や肥満などの予防につながります。
出典:『そしゃくで健康づくり 育てようかむ力』柳沢幸江著
市販飲料水に注意
スポーツドリンクには多くの糖質が含まれ、日常的に水代わりに飲んだり、就寝前に飲んだりすると、口内に糖質が残り続けて歯垢の増殖を助け、むし歯を引き起こす要因となるのでとりすぎに注意しましょう。またpHの低い飲料水は歯が溶ける原因になることもあります。
間食の回数や食べ方はどうすれば良いのか
細菌に歯垢や酸をつくらせないためには、間食の回数や食べている時間、それにタイミングを見直すことのほかに、だ液の働きを理解しておく必要があります。だ液は、食事のあと酸性に傾いた歯垢を中性方向に戻し、溶けた歯を修復する働きがあります。間食が加わると、酸の産生にだ液の働きが追いつかなくなり、歯垢はさらに酸性に傾き、pH5.5以下になると歯は溶け始めます。夜間はだ液がわずかになるため、就寝直前の食事は避けます。
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- 普通の食事の時には
- 細菌は食事を始めて3分後には糖質から酸を産生し、口の中のpHも酸性に傾きます。食事後、だ液の働きで糖質は洗い流され、酸の中和が進み、pHは中性に戻ります。これが食事のたびに繰り返されます。
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- 間食の回数が多いほど
口の中は酸性にさらされる - 食事に間食が加わると、酸を産生している時間が増えます。一方、だ液が糖質を洗い流し、酸を中和する時間は短くなり、口の中は長時間酸性にさらされることになります。
- 間食の回数が多いほど
寝る前の食事と睡眠不足はむし歯になるリスクが高い
夜更しして夜食を食べると、口の中に残った糖質がだ液で洗い流されず、酸も中和されないので、むし歯になるリスクが高くなります。また、睡眠不足の状態も、だ液の量を少なくするため、むし歯になるリスクが高くなります。