令和5年度 8020運動ポスター

ポスター審査員

栗原 良彰 先生(東京藝術大学社会連携センター特任准教授)
増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
伊藤 達矢 先生(東京藝術大学社会連携センター特任教授)

最優秀賞

笠松 姫奈さん(18歳)

受賞者のコメント
おじいさんの腕の中で眠る子どもへ、80 年後の君が20 本の大切な歯で笑顔でいられるようにという、時代を越えて繋がれる約束と、光に照らされた生命力の中にある優しさをクレヨンで表現しました。ポスターを見てくださったあなたに、届けられたら嬉しいです。
栗原先生のコメント
黄色を帯びた光に照らされた2人の表情、中央に配置した「8020」の文字。そのセンスがすばらしく、8020 運動の大切さを自然と語りかけてくるような魅力があります。色使いも、寒色と暖色をバランスよく使い分けていますね。
伊藤先生のコメント
画面の隅々まで、パステルを使って丁寧に描かれています。絵画表現として、クオリティの高さを感じました。色調も全体的にとても調和が取れており、心地よく温かみのある作品です。
増田先生のコメント
とても味わいがあり、一目見た瞬間に心を奪われました。「八十年後も 二十本の歯と人生を。」とやさしく語りかけるようなコピーと、全体の構成・トーンとの相性も絶妙です。

優秀賞

  • 砂川 心さん(19歳)

    受賞者のコメント
    80 歳になっても、子ども、孫と同じ食卓で同じ物を食べてほしいという気持ちを込めてこのデザインにしました。受賞させてもらいとても光栄です。
    増田先生のコメント
    構成、アイデア、色使い。そのバランスが絶妙で、見る者を惹きつける力があります。「80になっても 子どもと一緒に」というコピーも、2人の関係性やストーリーが感じられ、とても魅力的です。
  • 中川 伊生妃さん(15歳)

    受賞者のコメント
    鏡に映っているのは、鏡の前にいる女の子の80 歳の姿です。毎日丁寧な歯磨きを続けることは、未来の自分のためになるということを絵で表現しました。
    栗原先生のコメント
    水彩絵具などで色を重ねながら、豊かな表情を作り出しています。鏡に映る姿を通して、8020 運動のコンセプトもわかりやすく表現されていますね。広角レンズを使ったような写真的な表現もすばらしいです。
  • 小島 眸さん(30歳)

    受賞者のコメント
    毎日の丁寧な歯磨きは、称される価値があるくらい大切であることをわかりやすく賞状で表現しました。歯と口の健康について考える良い機会になりました。
    伊藤先生のコメント
    アイデアが見事ですね。それに、文字は修正が効かないため、一発勝負で仕上げる集中力が必要です。そのプロセスにも好感を覚えました。日付の11 月8日は、「いい歯の日」のことでしょう。細部までよく練られた作品です。

入選

  • 山下 智実さん(29歳)

    受賞者のコメント
    見た人の目を引き、自分の大切な人の歯に思いを馳せるような絵になればという思いで描きました。そんな瞬間を生む絵になっていれば嬉しいです。
    栗原先生のコメント
    人に見立てた歯が独特な雰囲気を醸し出していて、こちらを凝視しているように見えます。そこに吸い込まれるようで、静かに訴えかけてくる不思議な力を感じる作品です。ユニークなアプローチが秀逸でした。
  • 山下 星羅さん(26歳)

    受賞者のコメント
    この度は素敵な賞をいただき、大変嬉しく思います。歳を重ねても仲良く健康に過ごしてほしいという思いを込めて制作しました。
    増田先生のコメント
    歯だけでなく、「人も大切に」と訴えており、ご夫婦の関係や人の温かみがじんわりと伝わってきました。画面全体を黄色で統一している点も、全体として調和が取れていてすばらしいですね。
  • 大藪 悠也さん(16歳)

    受賞者のコメント
    この度はこのような賞をいただきとても光栄です。このポスター作成を通し、あらためて生活の中の歯の大切さを再認識できるいい機会になりました。
    伊藤先生のコメント
    鹿とワニの描き方が工夫されていて、色彩表現としてもいい効果を出しています。「しか医」というコピーを含め、随所にシャレを効かせており、ユーモラスで見ていてとても楽しい作品でした。
  • 蒲生 歩未さん(20歳)

    受賞者のコメント
    8020 の文字を食べ物に見立て、おいしく楽しく食べているところを表現しました。今ある自分の歯を大切にしようと思っていただくきっかけになれば幸いです。
    栗原先生のコメント
    2人の表情がとても豊かで、楽しそうにしている点に惹かれました。爽やかな色使いもいいですよね。全体的に寒色が強い中で、「歯」と「一生」の黄色が効いています。文字のフォントも絵と絶妙にマッチしています。
  • 寒河江 悠さん(20歳)

    受賞者のコメント
    この度はこのような賞をいただきとても光栄です。80 歳になっても、自分の健康で美しい歯を保てば笑顔にも自信が持てる!という思いを込めました。
    増田先生のコメント
    一度見たら忘れられないような、なんとも言えない穏やかな笑顔に目を奪われました。その表情とコピーの文言がピッタリ重なります。色彩はシンプルですが、全体としてまとまりよく仕上がっています。
  • 河瀨 凜華さん(14歳)

    受賞者のコメント
    学校の授業で学んだ技法を用いて、ペン1本で見る人の印象に残る作品に仕上げました。1 人でも多くの人の印象に残り健康寿命の延伸に貢献したいです。
    伊藤先生のコメント
    手作業で丁寧に描かれており、好感を持ちました。クラシックな雰囲気でとても味わい深く、ハイセンスな作品です。画用紙がうっすら焼けているように見えますが、それも非常にマッチしていますね。
  • 相田 結菜さん(16歳)

    受賞者のコメント
    青空の下で、いつまでも元気に歯を見せ幸せそうな笑顔の2人を描きました。この絵が、8020 運動を知るきっかけになれたら嬉しいです。
    増田先生のコメント
    2人のやわらかい笑顔、同系色でまとめた「8020」などのコピー。そのバランスや配置が絶妙で、ポスターとしての力強さがあります。誰もが「私も将来、そうありたい」と前向きになれるような作品です。
  • 樫原 陽菜さん(16歳)

    受賞者のコメント
    ポスター作成において、どの年代の方がみてもわかるような絵になるよう心がけました。色を工夫しパッと見てすぐにわかるような絵にしました。
    栗原先生のコメント
    作者が楽しみながら描いている様子がひしひしと伝わってきます。色使いなどにはどこか1980 年代の懐かしさがあり、今見るとかえって新鮮でいいですね。細部に散りばめたアイデアや工夫も好印象でした。

総評

栗原 良彰 先生(東京藝術大学社会連携センター特任准教授)
例年を大きく上回る応募がありましたが、数だけでなく、バリエーションも豊かでクオリティの高い作品が非常に多かったです。8020 運動のとらえ方や表現方法が、どんどん広がっているように感じました。これからも、バラエティに富んだ作品を期待したいですね。
伊藤 達矢 先生(東京藝術大学社会連携センター特任教授)
全国各地から幅広い年齢層の方々に応募いただき、8020 運動に対する関心の高まりを実感しました。回を重ねる中で、8020 運動の認知度がどんどん高まる。そんないい循環が生まれているように感じます。引き続き、新しい表現に果敢にチャレンジしていただきたいですね。
増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
前年から応募数が急増したうえ、どれも力作ばかりでした。思いを込めて創作してくださった一人ひとりの姿が目に浮かんできます。手描きからコンピュータデザイン、切り絵まで、さまざまな手法が用いられている点も好印象でした。数、質とも、今後さらに進化することを期待します。