令和4年度 8020運動ポスター
ポスター審査員
- 栗原 良彰 先生(法政大学建築デザイン学科兼任講師)
- 増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
- 伊藤 達矢 先生(東京藝術大学社会連携センター特任准教授)
最優秀賞
櫻井 りんさん(18歳)
- 受賞者のコメント
- 今回、このような賞をいただき大変嬉しく思います。80歳になっても自分の歯と一緒にいられるようにという思いで子どもと歯を一緒に描きました。学校の授業の一環として取り組みましたが、歯みがきへの意識を変えるきっかけになりました。
- 栗原先生のコメント
- 8020 運動のポジティブなイメージや元気のよさが、画面全体から伝わってくる作品です。女の子の生き生きとした表情、緩急をつけたリズミカルな「8020」の文字、そしてそれをうまく引き立てる配色のバランスが絶妙です。
- 伊藤先生のコメント
- 画面の構成、 かわいらしいイラスト、キャッチコピーがうまくマッチしていて、作者の思いがストレートに胸に響いてきました。ポスターとしての完成度が高く、力強い作品ですね。
- 増田先生のコメント
- 全体的にやわらかい印象ながらも、その中から作り手の力強い8020 運動のメッセージがしっかり伝わってきます。暖色系でまとめた配色のバランスも好印象で、統一感があります。
優秀賞
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太田 伊織さん(36歳)
- 受賞者のコメント
- お年寄りになっても美味しく食事が出来る様に子供の頃から歯を大切にしてほしい。という想いを込めて、工作が好きな7歳の娘と一緒に貼り絵を楽しみながら仕上げました。
- 増田先生のコメント
- 親しみやすさが全面に出ている作品ですね。「8020」の文字の独特な輪郭が、ポスター全体にやわらかい印象を与えています。よく見ると、手でちぎった折り紙を貼っているようですが、その工夫もすばらしいです。
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松﨑 紋実さん(27歳)
- 受賞者のコメント
- すべてのライフステージに向けた啓発運動ということで、様々な世代の方が利用する電車をテーマに6人掛けの座席を歯の並びに例えてお口の中を表現しました。8020運動を身近に考えるひとつのきっかけになれば嬉しいです。
- 栗原先生のコメント
- 電車の席に座っている乗客を歯に見立てる、そのアイデアが秀逸ですよね。しかも、洋服を着せるなどして、子どもからお年寄りまで丁寧に描いています。世代を超えて、歯を大切にしようというメッセージが伝わってきました。
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澤田 舞さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- ポスター作成をする際に、より受け手に伝わるように、画材をクレヨンや色鉛筆にして絵や文字に温かみを持たせました。受賞させて頂き光栄です!!
- 伊藤先生のコメント
- この作品を眺めていると、ポスターには直接描かれていない、お孫さんの顔がはっきりと浮かんできます。視覚で楽しませるだけでなく、その向こう側に何があるのか。そんな広がりや奥行きを感じさせてくれる作品でした。
入選
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古川 功さん(77歳)
- 受賞者のコメント
- ケアーハウスで皆さんが歯みがきをしてます。毎食後の歯みがきでしょう。健康で長生きのコツは毎日の習慣になった歯みがきです。朝昼夜の歯みがきは楽しい時です!
- 栗原先生のコメント
- 絵の中に登場する人の姿や行動がとても丁寧に描かれています。考えてみれば、歯を磨くことは全身運動でもあるんですよね。つまり、体全体の健康にも役立つ。そのことを改めて気づかせてくれる作品でした。
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外崎 百萌子さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 御祝儀袋のデザインには、「末長く付き合う」という意味のあわじ結びにすることで、歯を大切にする思いを強く表現しました。目に留まるデザインを意識しました。
- 伊藤先生のコメント
- ポスターをご祝儀袋に見立て、上手にはめ込んでいます。歯を末永く大切にすること、健康に保つことを、こんなふうにお祝いする表現の仕方があったのかと。斬新なアイデアに引き込まれました。
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佐々木 美樹さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 0歳になっても元気な歯で、楽しく元気でいて欲しいという思いから、このポスターを制作しました。仕上げを丁寧にと心がけたので受賞できて光栄です。
- 増田先生のコメント
- 全体に明るいトーン、色鮮やかな黄色い線、2人のはじけるような笑顔。全体の構成や色彩のバランスがすばらしく、実際のサイズ以上に大きく見えるような力強さとインパクトがあります。
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大戸 遥陽さん(18歳)
- 受賞者のコメント
- とにかく第一印象を強烈にしたかったので、自分の歯の写真を使いました。沢山の人に“LOVE MY TEETH”してもらえたら嬉しいです!
- 伊藤先生のコメント
- 写真をこれほど大きく使う作品は初めてです。しかも、あえて口を縦にしています。普段見慣れているものを、角度を変えることで新鮮に見せてくれる。そんなユニークなアイデアとともに、 デザイン性も優れた作品でした。
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齋藤 聖矢さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 見る人の目を引くポスターにしたいと思い、男性の顔を大きく描きインパクトのある仕上がりにしました。制作にあたり歯の健康について勉強できてよかったです。
- 伊藤先生のコメント
- 見れば見るほど、不思議とどんどん引き込まれていく。そんなクセになるような魅力とインパクトがあります。なんともいえない味わい深い表情と、「食の幸せ 歯あってのもの」というコピーが絶妙にマッチしてますよね。
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石井 碧さん(22歳)
- 受賞者のコメント
- 今回八十歳以上になっても二十本以上の自分の歯をということで年配の方に多そうな金歯、銀歯を主題に、本来の白い歯の輝きのために制作しました。
- 増田先生のコメント
- 「金銀」は金歯や銀歯、あとは金メダルや銀メダルといった意味合いなのでしょう。一般的には金が1番、銀が2番とされますが、それ以上に「白く健康な歯が大事」といった思いが力強く伝わってくる作品でした。
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髙谷 真央さん(20歳)
- 受賞者のコメント
- この度はこの様な賞を頂き光栄に想います。この運動を知り、歯に対する自分の中の認識を変えることができました。これからも自分の歯を大切にしたいと思います。
- 栗原先生のコメント
- ポスターとして、これ以上足す必要も、引く必要もないというくらいに、とにかく簡潔に描き切っている点を評価しました。シンプルな構成でありながら、歯の表情やカラフルな歯磨き粉がいいアクセントになっていますね。
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上田 梨歌さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 80歳になっても、幸せなあの日の輝かしい笑顔で いてほしい。そんな思いを、柔らかい色彩と手描きのタッチで温かみのあるデザインに仕上げました。
- 栗原先生のコメント
- 水彩絵具のにじみをうまく使うなどして、色鮮やかに、やさしい印象に仕上げていますね。表情や口元の細部まで細い線で丁寧に描いていて、全体的にとても清潔感がある点も好印象でした。
総評
- 栗原 良彰 先生(法政大学建築デザイン学科兼任講師)
- 直接的に歯を描くのではなく、 それが普段の生活や健康とどう関わっているのか。今回は、そんな観点で描かれている作品が特に印象に残りました。歯のとらえ方は、もっと幅があっていいと思います。それが、8020運動の意義を広く発信することにつながっていくはずです。
- 伊藤 達矢 先生(東京藝術大学社会連携センター特任准教授)
- 表現の幅がどんどん広くなってきているように感じます。今回も、過去にはない実験的なアイデアがありました。8020運動の意義をどう伝えていくか。これからも、さらに表現の幅を広げるようなチャレンジを楽しみにしています。
- 増田 金吾 先生(東京学芸大学名誉教授)
- 近年はデザインソフトを使うケースが増えている印象がある中で、個人的には「手描き」の作品ももう少し見てみたかったですね。ただ、全体的には毎年、確実にレベルアップしています。今後もバラエティーに富んだ作品を期待したいですね。