平成30年度 8020運動ポスター
ポスター審査員
増田先生(東京学芸大学名誉教授)
栗原先生(東京藝術大学非常勤講師・美術博士・アーティスト)
最優秀賞
佐藤 隼人さん(17歳)
- 受賞者のコメント
- この度は最優秀賞という光栄な賞をいただき、ありがとうございます。
8020の意味が一目で伝わり、印象に残るポスターを意識して制作しました。
このポスターを通してくたくさんの方々に8020運動を認識してもらえると幸いです! - 増田先生のコメント
- 8020運動がまさに見事に表現されている。配色、文字の入れ方もよく練られていて、特に白い歯と口の形や、単純化されたおじいさんの顔も、非常に端的に表現されている。アイディア的にも優れた作品である。
- 栗原先生のコメント
- ぱっと見て、強い印象を受けた。「8」と「2」、そしておじいさんの顔と赤い丸。この強い印象から一歩踏み込んでみると、メッセージが伝わってくる。このアイディアが思い浮かんだところから、実際にこの形にするまでに、配色やバランスなどを何度も練って、いかにうまく人に伝えるかを試行錯誤された努力が見られる。
優秀賞
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中里 美紅さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- まさかこのような賞を頂けるとは思っていなかったのでとても驚きました。画材にパステルを使用し輝く歯ととびきりの笑顔と楽しい雰囲気を表現しました。
- 増田先生のコメント
- やんわりと、大事なことが伝わってくるポスター。人物、犬、そして擬人化された歯、それぞれのキャラクターの組み合わせが良い。色彩的にもうまくまとめられていて、赤で強調されている文字も、強調されつつもうまく収まっている。
- 栗原先生のコメント
- モチーフとしてのおじいさんと孫の表情をパステルの柔らかい素材感が引き立てていて、素材とテーマがマッチしている。特に笑顔がうまく描けていて、とても説得力のある作品になっている。
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鍵谷 彩音さん(20歳)
- 受賞者のコメント
- 健康な歯で食事ができる幸せを伝えたかったので思いきり林檎を齧るお婆さんを描きました。温かみのある仕上がりになるようにパステルで着彩しました。
- 増田先生のコメント
- 女性が実にいい表情で、じわじわと「噛みしめる幸せ」が伝わってくる。一方文字の部分は黒く目立つように書かれていて、遊離していない。リンゴを咀嚼している様子もきれいに、ソフトに描いているのが良い。
- 栗原先生のコメント
- 非常に豊かな表情から、食べることが楽しいということが伝わってきて、「噛みしめる幸せ」というメッセージをうまく伝えられている。パステルの素材もメッセージとマッチしていて、構図もとてもきれいに収まっている。
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木田 瑞穂さん(18歳)
- 受賞者のコメント
- 口の中に入れるサイズの侍といえば、一寸法師なので、一寸法師が闘うポスターを考えました。今回はこのような賞をいただき、ありがとうございました。
- 増田先生のコメント
- 一寸法師だろうか。バイ菌と闘っている表現も不自然な感じではなく、8020運動の趣旨をおさえたメッセージとしてうまくまとめられており、意図がよく伝わってくる。歯や口の中を落ち着いた色で抑えつつ、描き方も非常に単純でスマート。
- 栗原先生のコメント
- 生々しくなりがちな口の中の配色をきれいにまとめていて、かつ人物やバイキンの色によってピンク色が締まって見える。キャラクターの目線の先に「80年間、闘い続けろ」というメッセージも強調させていて、非常によく練られた作品。
入選
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成田 有彩花さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 何歳になっても健康な歯でより良い笑顔というテーマで、作成しました。今回、学校の課題として応募し、賞を頂く事が出来て大変嬉しく思いました。
- 栗原先生のコメント
- 魚眼レンズを覗いたような構図と、色鉛筆の優しげな素材感が人物の表情を一層引き立たせている。遠近感のある「8020」の文字で、絵全体が締まっている。細部も非常に緻密に描けていて真摯にこのポスターに取り組まれたのだと感じた。
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山田 早紀さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- この度はこのような賞をいただきとても光栄です。この作品は、父が娘の頬を引っ張り「キレイな歯をもう一度見せて」という思いを込めて描きました。
- 栗原先生のコメント
- なぜかほっぺをつねられている。そして「歯を見せて」というメッセージ。見られたくないのだろう女性の表情もよく描けていて、皮肉めいている面白さがあり、ポスターとしてとても強いメッセージを感じた。
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吉岡 真奈美さん(18歳)
- 受賞者のコメント
- このような賞を頂くことができ、とても嬉しく思います。歯を末長く大切に、コツコツと積み重ねていくイメージで制作しました。
- 増田先生のコメント
- 「80歳になっても20本以上の歯」がうまく表現されている。歯も20本以上描かれているところが、芸が細かい。暖色系の配色も、全体の調和がとれている。
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池上 歌那さん(17歳)
- 受賞者のコメント
- 将来を考え健康への意識を持ち始める、20~30代の方々をターゲットに制作しました。モチーフは面白く、見た目は美しくなるように心がけました。
- 増田先生のコメント
- シンプルな画面構成の中にアイディアがすごく詰まっている作品。「ずっと一緒にいてください」と歯自体を結婚指輪に見立てた表現から、この8020運動に対して色々考えて、思いを持って作っていると感じた。
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長南 芽衣さん(18歳)
- 受賞者のコメント
- 今回このような賞を頂き、大変嬉しく思います。このポスターを通して多くの人に歯の大切さが伝わればいいなと思います。
- 栗原先生のコメント
- 東洲斎写楽のようなモチーフはなかなかインパクトがある。絵に合わた「・・・・・・ございまする」といった標語や、この時代にはない歯ブラシと歯磨きを持たせていて、それらが違和感なく、歯磨きの重要性を伝えている。
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亀井 美緒さん(17歳)
- 受賞者のコメント
- このたびは、このような賞を頂きありがとうございます。老若男女親しみやすいポスターを目指しました。20本歯のかかれたスマイルマークがポイントです。
- 栗原先生のコメント
- ポスターとして非常に優れた作品。りんごと20本の歯、歯磨きと歯ブラシ、スマイルの形がそれぞれシンプルに描かれていて、80歳まで20本の歯を残そうということがきちんと伝わってくる。
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花房 歩美さん(18歳)
- 受賞者のコメント
- ずっと綺麗に見られたいという歯視点の思いを、女性が周りから綺麗に見られるために化粧をしていることに重ねて、可愛く表現しました。
- 増田先生のコメント
- 歯が自分でお化粧している様子とメッセージが、見事に仕上げられている。それぞれの形は単純化されて描かれているが、柔らかい色合いの中にも配色がよく考えられている。
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𠮷田 有希さん(19歳)
- 受賞者のコメント
- 生きることは食べるころが基本。歯の健康を保つことは、健康でいるために必要なことなので、少しでも、それが伝わると嬉しいです。ありがとうございました。
- 栗原先生のコメント
- 構図やアイディア自体はめずらしいものではないが、人物の描き方や細部の描き込み、配色が非常によくできている。うまく歯を強調しながらも、生々しくなく優しげで楽しげな表情がうまく描けている。