ナオミ通信 口腔機能発達不全症②効果的なトレーニング

キョウコ

「ポカン口」とインフルエンザが関係しているの?びっくりね!

私たちは普段、鼻から呼吸をしています。鼻から出入りする空気量は1日あたり1,400リットル、ドラム缶約70本分に相当します。その空気の通り道である鼻の中は、1日あたり1リットル程度の水分が出て、常に鼻の粘膜は湿った状態になっています。
また、鼻の中には「線毛細胞」という細胞があり、これらはネバネバした粘液を出すとともにブラシのような毛を持っているので、呼吸と一緒に吸い込まれたチリ・ホコリをキャッチして痰として体外に出す働きがあります。
これらは

  • ・湿気に弱いウイルスを排除する
  • ・体内に余計なものを取り込まない

という、からだの工夫です。

ケンタロウ

なるほど!

さらに鼻の奥には「咽頭扁桃」という体を守る免疫組織があります。言うなれば、体内における不要物の関所のような役割をしています。
しかし「ポカン口」で口呼吸をしていると、

  • ・鼻による防御作用が働かない
  • ・直接、乾燥した口に塵や埃が入り、喉の奥に入ってしまう

ため、からだに不要なものが体内に入りやすくなってしまうのです。

鼻呼吸によって、3~5マイクロメートルの粒子なら約80%カットでき、2マイクロメートルの粒子の場合は約60%カットできます。ちなみに花粉の大きさは約4~20マイクロメートル、細菌は1マイクロメートル程度で、鼻呼吸は花粉のシャットアウトにも有効なのです。

加えて、口のなかが乾燥することによって、むし歯や歯周病が増える、口臭がするといった影響もありますよ。

キョウコ

だから,鼻で呼吸することが病気の予防になるのね。

ケンタロウ

鼻は天然のマスクなんだね!

さらに、口のまわりの筋力が全体的に弱いため、睡眠時に舌の根もと(舌根)が喉の奥に落ち込んでしまい、いびきをかきやすくなります。またそれが原因で、十分な酸素が体中の細胞に行きにくくなり血圧が高くなったり、閉塞性睡眠時無呼吸となり、全身への影響が出てくるようになります。

キョウコ

いびきや睡眠時無呼吸にも関係があるのね!

最後にもうひとつ。お口のまわりの筋肉は、表情をつくる上でも大切な筋肉です。お顔全体に手を当てて、にっこりと笑ってみてください。頬だけでなく、口のまわりの筋肉も連動しているのがよくわかるでしょう。でもこの筋力が弱いと、笑顔も不自然なものになってしまいます。

つまり、口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)は、感染症のリスク、全身症状のリスクとともに、笑顔を奪ってしまうリスクもあるのです。

子どもも大人もトレーニングが必要です!
次回、みんなにも役立つトレーニングを紹介しますね!

ナオミ先生
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