- ケンタロウ
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ねえ、ママ。お友達にくちぶえが吹けない子がいるんだよ。
- キョウコ
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そうなの!?
子どもはみんな得意だと思っていたわ!
とある保育園の年長児を対象とした調査で、くちぶえが吹けたのは約2割にとどまったという結果があります。みなさんも、この結果に驚かれると思います。
お口はさまざまな筋肉によって支えられています。普段、お口(唇)は閉じているのが正しい姿ですが、唇が閉じずに開いたままになっている「ポカン口」のお子さんをよく見かけます。ある保育園では30~40%の子が「ポカン口」だったというデータもあります。
「くちぶえが吹けない」ことや「ポカン口」といったこれらの様子は、一見なんの問題もないように見えますが、口を閉じる力(口唇閉鎖力)や舌の筋肉が弱く、お口の機能が十分に発達していないために起こるもので、硬いものを噛むことができなかったり、良く噛まずに飲み込んだりするようになります。
また食べる場面だけでなく、歯並びが悪くなる、口呼吸になるといった様々な面への影響もあり、「口腔機能発達不全症」という病名がついています。
- ケンタロウ
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ポカン口っていろいろな影響があるんだね。
- キョウコ
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「ポカン口」は、ほかにどんなことで気が付くのかしら…
口腔機能発達不全症は「ポカン口」のほかに、①くちゃくちゃ音を出して食べる、②食べるのが遅い、③硬いものがかめないといったことから気が付くことがあります。また、④くちぶえが吹けない、⑤お誕生日会でローソクの火が吹き消せないといったことなどとも、深く関係しているのです。
口腔機能発達不全症となる背景には、ゴム風船やストローを用いたシャボン玉遊びなど口を使った遊びが減ってきたことや、新型コロナウイルスなど生活の変化によって、マスクをすることが増えたり、遊び方に変化が生じたことが考えられます。また、乳幼児期の食事のとり方・食べさせ方(目で食べ物を認識する→唇を使って口のなかに取り込む→十分に噛む)のステップが十分でなかったことなども考えられます。その結果、日常生活や遊びで自然に身についていく口の周りの筋力が十分発達しなかったことが一因と考えられています。
- ケンタロウ
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そういえば、お誕生日会でローソクを消せないお友達がいたよ
- キョウコ
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「ポカン口」はなぜいけないのかしら。ナオミ先生にきいてみましょう
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ポカン口と乳幼児期における関係性・事例をみてきました。
次回は、全世代に関係した事例について詳しく説明しますね。 - ナオミ先生