インタビュー07インタビュー時年齢:78歳(2016年12月2日)

#04 3度目の手術のあとは口が開かなくなり、口から食事をとるのが難しかった。洗濯ばさみのお化けのような器具を使って口を開く練習をして食べられるようになった

再生時間:03:25 アップロード日:2017年11月09日

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インタビュー

これはね、これで歯を、これ。これで、あのー、歯医者さんで勧められて買って。いい? こうやって(口を開く補助器具を使って見せる)……ってやって、これだけ開くようになりました。これはとってもいいもんだと思います。私は、洗濯ばさみのお化けって言ってます(笑)。こういうもんがね、あるっていうこと、知ってもらいたい。
 あのー、病院の看護師さんも、私がお父さんのところに毎日行ってるときにやってると、「何?」って言って、「これ、歯医者さんで勧められたのよ。洗濯ばさみのお化け」って(笑)。これで、うん。
――いつからそれをやってらっしゃるんですか。
うん、退院して初めて病院へ行ったときに、あのー、歯医者さんとこの看護師さんに、「こんなのあるんだよ」って言って、「あーあ」って。
 とにかく、手術終わったときは、ほとんど口が開かなくて、もうご飯食べるにはもう、一番時間かかったのは、1時間20分。でも、先生が、あのー、「1週間目にご飯、重湯から食べてみる?」って言われてね、勧められて、その代わり、あのー、食べられないで、あのー、鼻からあれ(経管栄養)してたからね。あのー、「もう、外しちゃうと大変だから、よーく考えて」って。ほいでまず、重湯から食べて、でも頑張って食べて、で、「先生、食べたよ」つって。「うん、頑張ったね」って、うん。ほいで、「どうする? 食べてみる?」って言われたから、「先生、頑張る。約束する」って言って。それからの病院の食事はもう、大変でしたよ、うん。ぶつぶつぶつぶつ独り言で、「ああ、これは、ジャガイモはつぶせば食べられるな」とか。で、「ご飯は、今日はおみそ汁かけて」ね。重湯に、をまたそれにちょっとおみそ汁かけて、スプーンでこう、ちょこ、ちょこっとから入って、こんな(指で2㎝くらいの幅を示す)もんだからね、うん。それで、帰るころもまだそんなに口開かなかって、でも頑張ったな。
で、一緒のお部屋の人が、「初め、何ぶつぶつ言ってんのかと思ったら」って。「頑張るねえ」って(笑)。褒められました。

プロフィール

インタビュー07
インタビュー時年齢:78歳
(2016年12月2日)

首都圏で夫とともに床屋を営んでいたが、1年前に夫を亡くし、現在は一人暮らし。43歳の時、舌にざらざらした白いものができ、前がん病変である白板症と診断され、手術を受けた。その後、再発したときは外来で治療。さらに2015年に頬の粘膜に再再発した時は、本当のがんだといわれ、入院して手術を受けた。今は普通に会話も食事もできるが、口を大きく開けることができない。病気に負けないよう民謡や社交ダンスを習って大会で優勝したこともある。