インタビュー07インタビュー時年齢:78歳(2016年12月2日)

#02 手術直後は舌がたらこのように腫れあがり、しゃべることもできなかった。退院後、リハビリを兼ねて民謡の稽古を始め、賞を取るほどになったが、さ行の音が出しにくい

再生時間:02:39 アップロード日:2017年11月09日

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インタビュー

それで手術して、朝起きて、口、舌がこんなタラコみたいにおっきくなって、しゃべれなくて、「おはよう」って言われて、そんときに看護婦さんに「私しゃべれない」って。それで、いろいろ、あのー、「こうやって大きな声で、屋上へ行って大きな声で歌を歌ったり、ね、本、持ってって朗読しなさい」って言われたんですよ。

そんなところを(家業の理髪店の)お客さんが「民謡の先生来てるから、おいでよ」って言われて、ああ、そうだと思って、そいで民謡のお稽古を始めて、そいで2回目のときには、あら、今度しゃべれなくなったら困るからって。何しようかなあと思って、ああ、そうだって。社交ダンスをしようって。それで社交ダンスと民謡をやりだして、それでずーっと続けてて、あそこにカップもあるように、結構優勝したり、2位取ったりとか、あとね、もろもろ。まだ、もっとあるんですよ。載りきらないからあれだけ載っけてあるけど。でも、ここ何年間は全然。声が出なくなったりなんかして、うん、取れない。賞を取れないで。でも去年かな、もらったけど。

だけど、ほいで、あのー、民謡の先生じゃなくても、お三味線弾いてくれる人が、あれすると、「○○さん(ご本人)、入れ歯?」って言われるのね。「違うよ」って。「私、舌、手術してるから」つったら、「ああ、そうか」って。だから、あのー、自分の先生じゃなくても、お三味線弾いて歌うと、やっぱり「入れ歯?」って言われますね。だから、ちょっとさ行が出しにくいの、うん。さしすせそがはっきり出ないですね、うん。でもね、くよくよしててもしょうがないし、ね。だからここまで来られたのかもしれない、うん。

プロフィール

インタビュー07
インタビュー時年齢:78歳
(2016年12月2日)

首都圏で夫とともに床屋を営んでいたが、1年前に夫を亡くし、現在は一人暮らし。43歳の時、舌にざらざらした白いものができ、前がん病変である白板症と診断され、手術を受けた。その後、再発したときは外来で治療。さらに2015年に頬の粘膜に再再発した時は、本当のがんだといわれ、入院して手術を受けた。今は普通に会話も食事もできるが、口を大きく開けることができない。病気に負けないよう民謡や社交ダンスを習って大会で優勝したこともある。