#06 仕事が忙しいなどの理由で歯の治療を中断してしまうと、削ったところからかえってむし歯が進行してしまい、歯を悪くするリスクが高まる

再生時間:2:16 アップロード日:2017年01月19日

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  • 歯科医師・深井穫博
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語り

――わたしたちのインタビューでも、歯の治療を受けている途中で、忙しいとかいろんな理由があって、とりあえず痛みが治まったからということで、治療を中断される方がいらっしゃいますが、そういったことは、どんな問題をもたらすのでしょうか。

わたしも臨床医ですので、毎日歯科患者さんを診ていて、口の中の状態がよくて、定期的にメンテナンスを受けているような方というのは、治療の回数も少ないわけです。ほとんど1回か2回で終わってしまうんですけど。むし歯をたくさん抱えているような人たちっていうのは、何回も治療に通わなきゃいけないと。しかも仕事も休みをなかなか取りにくいという状況があって、その人たちの中に治療を中断するということがあるんですね。治療を中断することが、実は歯を悪くする1番のリスクになります。

なぜかというと、歯科治療というのは、例えば、歯が痛くてもうたまらないような痛みがあって歯科医院に行ったと。そのときに、歯髄炎になっているから神経の治療をしようとして治療を受けたとたんに痛みが劇的に改善したと。こうなってくると、実際に痛みはそのとき取れるわけですけれど、そのあと、そこで治療が終わっているわけではなくて、何度か治療が終わってから、最終的に冠をかぶせたり、歯のかたちが元に戻ってかめる状態になるわけです。

ところが、痛みがあって、飛び込むように歯科医院に行った場合に、痛みさえとれてしまえばもうよかったと。あとは仕事も忙しいので通えないとなってくると、その間に歯の状態はよくなることはないわけです。一度歯を削っていますので、治療のために歯を削った場合に、歯は弱くなりますから、その間、中断をしている間に、ばい菌がその中に入ってきて、さらにむし歯が進行したり。特に痛みがない歯というのは、むし歯がどんどん進行しても気が付きませんので、中断、特に神経の治療や冠をかぶせる前の状態、歯を削った状態で治療を中断するというのは、歯を悪くしたり喪失する最も大きなリスクですね。