再生時間:3:08 アップロード日:2017年01月19日
日本人の歯や口の状態は、この25年の間に、劇的に改善したと言われています。歯や口の状態を測る物差しとしては、むし歯の数だとか歯周病の状態、あるいは、歯の数自体という測り方があるんですけれど、特に子どものむし歯の場合には、約8割の子どもが未処置のむし歯がない時代になっています。中学校1年生が、ちょうど、永久歯が生えそろうときですので、その時点で、12歳児で何本むし歯があるかと、こういう測り方をします。それを見ると、1980年代には、1人当たりのむし歯の本数が5本弱だったんですけれど、それがこの25年の間で1本以下になっているというのが現状です。ですから、5分の1ぐらいのむし歯の本数になったということになります。
それに対して歯周病ですけれど、これは、歯周病にも程度があって重度から軽度まであるわけですけど、ある程度、骨が吸収をするような中等度以上の歯周病というふうに考えると15歳以上の日本人から見ると、約34%の方が中等度以上の歯周病を持っていると言われています。数で言うと、全人口の中の3,500万人ぐらいの人たちが、歯周病を抱えているということになります。ただ、その歯周病についても、むし歯と同じように、この25年の間で状態がよくなっていて、中等度以上の歯周病を抱えている人の数は調査のたびごとに減っているというのが現状です。
ただ、このような劇的な改善があったといっても、まだまだ歯や口の問題で悩んでいる人は多くて、例えば、8020推進財団は、昨年、調査をした全国の40カ所の地域住民を無作為サンプリングした調査結果を見ると、約17%の方が、歯の痛みに悩んでいると。あるいは、口臭や歯並びを気にしている人たちが、約20%それぞれいた、ということですし。例えば、歯の痛みで、過去1年間の間でよく眠れなかったり、あるいは、仕事に支障をきたしたというような人も10%ぐらいいるということが分っています。
何より、8020運動が始まってから、もう25年以上経ちますけど、今では、80歳で20本ある人の数は、4割まで向上してきています。国のほうの目標でも、それを50%まで上げようということになっています。ただ、まだまだ、それでも50%達成したとしても、残り50%の方々は、80歳で20本の歯がないわけですので、そういう人たちは、食べることに支障をきたしていると。国の調査を見ても、70歳以上で見ると、何でも食べられるという人はまだ6割ですので、約4割の方々は、食べることに苦労をしているというのが実態です。