インタビュー11インタビュー時年齢:67歳(2017年1月28日)

#05 以前は大きな飴玉をなめているように見えた顔を、意地悪くじろじろと見られることがあり、そういう視線を意識しないように乗り物では読書に没頭するようにしていた

再生時間:02:14 アップロード日:2017年11月09日

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インタビュー

だから、ここ最近、あのー、久しぶりに会うお友達が、「随分目立たなくなったね」って言ってくれるんですけど。あのー、もっとこう、目立ってたので、何となくこう、襟のところまではね、あのー、あ、首の辺りまでちょっと、あのー、隠れるお洋服探したりするほうが大変だったりとか。

久しぶりに会ったお友達が、「何おっきな飴なめてんの?」って言うぐらい、ここがとんがってたりとか、が長かったんですね。だから、まあ、20年、30年かけて、何か肉が適度に付いてきたのかなあと思ってるんですけど、はい。

一番困るのはね、電車乗ったときに、やっぱり、あの、皆さんじろじろ見るんだけど、男の方じゃなくてね、女の人のほうがじろじろ見るのね。あ、女って結構、私、もともと意地が悪いんだなってつくづく思いましたけど(笑)。
 もう、最初はね、嫌だなあと思ってね、体の向きを変えたりとかしましたけど、あんまりじろじろ見る方いたときは、「何かご用ですか」って言いました(笑)。
 でもね、あの、やっぱりこう、ちょっとでも出歩かないと、自分でも社会性なくなっちゃうし、用事もあるしで。ある時、はたと気が付いたんですけど、その、見られてるっていう目線を、自分が見るから嫌だなっと思うだけなので、自分が、「あ、見られてるな」っていう目線に気が付かなければいいわけですよね。だから、乗り物乗るときはもう、本を持っていって、下向いて、まあ、小説なり読んでるものに熱中するっていう感じで過ごしました。
 で、ここ最近はあんまり、じろじろ顔を見られるってことはもう全然減りましたけれども、お子さんのほうがね、不思議そうな顔をして寄ってきて、「どうしたの?」って(笑)聞いてくれるから、「うーん、ここはねえ、手術でなくなっちゃったのよねえ」って言うと、「ああ、かわいそう」って(笑)言ってくれるから、何か、あの、それはそれでね、お子さんには素直に、お返事ができるかなと思う。それがちょっと、一昔前は不便でしたかねえ。でも、何かいろんな経験しました。おかげさまで(笑)。

プロフィール

インタビュー11
インタビュー時年齢:67歳
(2017年1月28日)

首都圏在住。福祉関係の仕事を定年退職して一人暮らし。近所に娘、息子の家族が住む。40歳前後のときに口内炎が治らず、からだに尋常でない重さを感じるようになり、歯科医の紹介で口腔外科に。細胞診の結果、抗がん剤と放射線治療をうけることになり、その後入院。左顎、舌の左側三分の一と、左の喉、鎖骨付近まで切除した。病名は告げられなかったが、後日診断書を見て舌がんと知った。上の歯は全部あるが、下はむし歯のため1本残るのみで入れ歯を使用。現在は元気に日常生活を送っている。