インタビュー15インタビュー時年齢:45歳(2017年3月12日)
再生時間: アップロード日:2017年12月04日
父は食べることが大好きだったので、だいぶあとになって、何か食べさしてあげたいなっていうふうにだんだんなってきて、ただ誤嚥(ごえん)の心配があるので、もう本当に微量なんですけど、あの、甘いお汁粉から始まって、もう舌の上に本当にちょっと載せてあげるだけなんですけど、それを繰り返していて。甘いので反応するかなと思って、まあ最初はそんなでもなかったんですけど、そのうちに、こう、もぐもぐもぐもぐ口を動かして、味わうっていうのではないですけど、何か感じるものがあったのか。で、こう、面白いのでいろんなことをしてて、いろんなものを口の中に入れてあげたことは、はい、あります。ただ、本当に誤嚥が心配なので、それはもうほぼほぼ限られたものしかなかったんですけど、でもそういった刺激もいいかなと思ってやっていたこともありますし、そういったことにこう、反応してくれるっていうのは、本人がその味を理解してたかどうかは分からなくても、自分たちの中ではすごく、ああ食べてくれたっていうか、そういったのがすごくうれしかったっていうのは、はい、結構ありました。
あの、カレーって、どうなんだろうって言って、本当にそれも耳かき1杯ぐらいを口の、舌の上に載せて、そしたらこう、ちょっともぐもぐしてみて、こう、(笑)ちょっと難しそうな顔をしていて(笑)。あの、なんかこう、もうちょっと味わいたいなっていう感じに見えなかったので、なんかこう、複雑な表情して(笑)、何だろう?みたいな(笑)。それがちょっとおかしかったですね。うん、カレーはおかしいねえっていう(笑)。お汁粉が一番なんか反応が良かったんですよ。別にあの、元気な頃に甘いものが好きだった印象はないんですけれども、甘いものが一番反応が良かったなあと思って。やっぱりこう、刺激のあるものは(笑)駄目なのかなあ、って言って。…違いが分かるのか(笑)、何だったのか分かんないんですけど。
ある程度その、「もう絶対に意識は戻りませんよ」と言われて、「良くなることは全くありません」って言われて病院は出たんですけども、それでも、目が見えるようになったとか、音が聞こえるようになったとかっていうところまで改善したっていうのは、そういった、刺激とか周りの環境とか、私たちが行ってきたことは間違ってなかったかなと思って、それはありますし、えーと、その衛生士さんが最初に来てくださって、その、口腔内を刺激していただいたっていうのはきっかけの1つではありますし、それがかなり、本人の刺激にはなったのかなっていう、それはすごく本当に感じています。