インタビュー時年齢:63歳(2016年4月8日)
元銀行員で現在はゴルフ場経営会社の社長。子どもは2人いるが、長男は結婚して家を出ており、現在は歯科医院のスタッフとして働く妻と長女との3人暮らし。
小学生の頃は学校検診以外で歯科の世話になることはなかったが、中学に入る頃から虫歯で歯が痛くなって治療を受けるようになった。社会人になってからは、勤務先の本社ビル内に歯科診療所があったので、本社勤務のときは虫歯で歯が痛くなると、すぐにそこに行って治療してもらっていた。社員の健康管理の一環で歯科検診もあり、半年に1回案内が来ると出かけていってスケーリング(歯垢や歯石の除去)をしてもらっていた。
10年ほど前、50代前半で関連会社に移るのを機に、以前に社内診療所に勤務していた歯科医を紹介されて転院した。社内診療所では、自分の歯をなるべく長く持たせようとする治療方針だったが、転院先の医師は海外に留学してインプラントの技術を磨いてきたということで、保存的治療より積極的に抜歯してインプラントにすることを勧められた。妻は反対していたが、先にインプラントにしていた人の話を聞いたり、インターネットで情報収集したりしたうえで、主治医を信頼してインプラントを選択した。
それまでに抜歯したのは、30代で親知らずを抜いたときだけだったが、このときは弱っている隣の歯も抜いて2本一緒にインプラントにしたほうがいい、ということで、結構まとめて抜かれた。インプラントでは、まず歯を抜いて土台になるものを埋めて、安定するまで3-4ヶ月おいてから、そこに歯を乗せて固定するので、1回の治療に5-6ヶ月かかり、1年に1回ずつ、3箇所を3年がかりで治療するような感じだった。インプラントの土台を固定する部分の骨が、歯周病のため一部薄くなってしまっていたため、人工骨を埋めて自然の骨を増やすという方法を取った。新しい技術ということで、手術のときはよそから歯科医が見学に来ていた。インプラントは保険が効かないので高かったが、医療費の税額控除が受けられたので、それほど負担には感じなかった。
治療後は自分の歯と同じように噛むことができ、せんべいでもたくあんでも音を立てて食べることができる。ただ、インプラントにしても歯周病が再発するとダメになってしまうので、ケアをしっかりしないといけない。今は半年に1回、スケーリングと歯磨き指導を受けているが、「歯磨きがうまくできていない」「歯垢が残っている」など、10年間、毎回同じことを言われ続けている。朝昼晩、普通の歯ブラシに加えて歯間ブラシなど4種類の歯ブラシを使い分けながら磨いているので、自分では優等生だと思っているが、それでもうまく磨けないのだとしたら、もっと歯科医療業界が研究して、もっと性能のいい歯ブラシや洗口剤を開発すべきだろう。主治医にもそのことを訴えているが、「いやあ」といわれて終わってしまっているのが不満である。