CHAPTER2
口腔機能の発育過程
乳児期(出生〜12か月ごろ)
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乳児期前半は歯が無く、哺乳によって栄養をとります。
哺乳時から口腔機能の発達は始まっています。
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- 乳児期後半にかけて離乳食へ移行します。
自分で食べ物を飲み込むようになります。
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8~9か月ごろに乳歯が生え始め、9~11か月ごろには、歯ぐきも使ってすりつぶすようになります。
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あやすと声を出し、4か月ごろからは喃語(ばばば、あー、うーなど)が現れ、発音機能の発達がみられます。
- ポイント
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歯みがき習慣をつけるにあたり、出生後から口のまわりをさわられたり中を見られたりすることに慣れさせると、発達不全などのお口の困りごとを見つけやすくなります。
幼児期初期(12〜18か月ごろ)
食べる機能
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前歯が生えそろい、第1乳臼歯も生え始めます。
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歯がため遊び、手づかみ食べ、食具食べが盛んになり、前歯でちょうどよい量のかじりとりができるようになります。
話す機能
個人差もあるが、18か月までにママ、パパ、ワンワンなどの単語を15~20語ぐらい話すようになります。知能の発達に伴って、発音機能も発達します。
幼児期中期(1歳半〜3歳ごろ)
食べる機能
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第2乳臼歯が2歳半ごろから生え始め、3歳ごろには乳歯が生えそろいます。
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大人とほぼ同じものを食べられるようになるが、硬さや大きさによっては噛めないものもあります。
話す機能
300語を超える単語を話し「ママ、おもちゃ、とって」などの3語文を話すようになるが、個人差があります。
さかんに声を出したり、言葉を言ったり、大人がかけた言葉を繰り返したりするようになります。
幼児期後期(3〜6歳ごろ)
食べる機能
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乳歯が生えそろい、6歳ごろから永久歯の第1大臼歯が生え始めます。
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噛む力が発達していき、大人と同じものが食べられます。
話す機能
5歳ごろには単語も1000語を超えて「いつ」「なぜ」などの質問がわかり、つっかえることなく話せるようになります。
- 子どもの心の発達
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15か月ごろには離乳食を終えて、どんなことも自分でやりたいという気持ちが高まります。
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18か月ごろには、スプーンやフォークを使って、自分で食べることが増えていきます。
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まわりの子どもとコミュニケーションがとれるようになり、友達の行動を見て自分が反応することができるようになります。
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自我が確立して自己主張が強くなり、保護者からの声かけに対して、自分が好まないことは「イヤ」と断るようになります。(イヤイヤ期・第一次反抗期)
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友達関係がつくられ、協調的な行動がみられるようになっていき、保護者からの声かけに「イヤ」と言うことが減っていきます。
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学童期(6~12歳ごろ)
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6歳ごろから永久歯の第一大臼歯・前歯が生え始め、徐々に乳歯が永久歯に生えかわり、12歳ごろには永久歯が生えそろいます。
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歯の生えかわりは、噛み合わせや噛むこと、飲み込むことに影響を及ぼします。
くちびるを閉じて噛むことが上手になり、箸などの道具を用いて食べられるようになります。
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11歳ごろから自立心が芽生え、親や大人の言うことを聞かず、自分の価値観で行動するようになり、第二次反抗期に入ります。
同世代の仲間関係が築かれていきます。
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学校給食では食べる速さや小食、偏食などが、家庭では欠食(朝食)・孤食などが食育の問題に挙げられるようになっていきます。
これらを放置すると、健全な口腔機能の発達に影響を及ぼします。