PART3低栄養を防ごう
健康維持のためのエネルギー必要量とは
エネルギー必要量を求める
エネルギー必要量は、基礎代謝基準値に体重を乗じ、さらにその値に、身体活動レベル(1日当たりの総エネルギー消費量を1日当たりの基礎代謝量で割った指標)を乗じて推定で求めることができます。
推定エネルギー必要量
基礎代謝 × 体重 × 身体活動レベル
高齢期の健康維持
高齢期になると基礎代謝量が低下します。また、身体活動量が少なくなることで、摂取エネルギー量の減少につながります。
その結果、栄養素の不足しやすい食生活になるため、栄養素密度の高い食品を選び、身体活動量にも注意を払わなければなりません。
基礎代謝基準値
年齢(歳) | 男性 (kcal/kg体重/日) |
女性 (kcal/kg体重/日) |
---|---|---|
50〜64 | 21.8 | 20.7 |
65〜74 | 21.6 | 20.7 |
75以上 | 21.5 | 20.7 |
年齢階級別身体活動レベルの群分け(男女共通)
身体活動レベル | ||||
---|---|---|---|---|
レベルⅠ(低い) 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 |
レベルⅡ(ふつう) 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合 |
レベルⅢ(高い) 移動や立位の多い仕事への従事者。あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合 |
||
年齢階級 | 50〜69 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
70以上 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
タンパク質、脂質、炭水化物の量を決定
エネルギー量が算定されると、エネルギー産生栄養素バランスによって、タンパク質、脂質、炭水化物の量を決定することができます。低栄養にならないようにするためには、とくにタンパク質の摂取を優先的に考える必要があります。
エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)
男性 | 女性 | |||||
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年齢 | 目標量 | 目標量 | ||||
歳 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
50〜64 | 14〜20 | 20〜30 | 50〜65 | 14〜20 | 20〜30 | 50〜65 |
65〜74 | 15〜20 | 20〜30 | 30〜65 | 15〜20 | 20〜30 | 50〜65 |
75以上 | 15〜20 | 20〜30 | 30〜65 | 15〜20 | 20〜30 | 50〜65 |
筋肉量を維持するのが目的
食事の量が減ると筋肉量が減少して、サルコペニアという状態に陥りやすくなります。サルコペニアになると転倒や骨折のリスクが増し、寝たきりにつながります。筋肉量を維持するには、タンパク質をしっかりとって、運動をすることが大切です。