CHAPTER3
全身の健康に影響する「歯周病」ってどんな病気?
お口の中には細菌がたくさん
私たちの歯にこびりつく歯垢(プラーク)には、わずか1mg中に10億もの細菌がすみついているといわれています。
まさに細菌のかたまりです。
その細菌の中に、むし歯の原因菌や歯周病の原因菌がいるのです。
そのうち歯周炎を引き起こすのは、歯周ポケットの中にひそむ空気を嫌う菌で、歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支える組織を破壊していきます。
日々のセルフケアが大切
歯周病は、糖尿病や高血圧症などと同様に、初期段階ではあまり自覚症状がありません。
知らず知らずのうちに、症状が進んでいるということもあるのです。
加齢や、忙しさのために健診の機会を逃していることなどから、気づいたときには進行している歯周病というケースもあるようです。
歯周病は歯を失う大きな原因の1つです。
日々のセルフケアと定期的な歯科健診を心がけましょう。
歯周病の進行と症状
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❶ 歯肉炎
歯肉溝 (仮性ポケット)の深さは2~3mm。歯ぐきだけが炎症を起こしている。歯ぐきの縁が部分的に赤く腫れるが、自覚症状はほとんどない。
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❷ 軽度歯周炎
歯周ポケットの深さは2~4mm未満。歯ぐきは赤く腫れ、触るとプヨプヨする。出血しやすい状態が続く。
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❷ 中等度歯周炎
歯周ポケットの深さは4~6mm。歯の根本が露出し始めるので、歯が長くなったように見え、膿の排出や口臭も現れる。
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❷ 重度歯周炎
歯周ポケットの深さは6mm以上。歯を支える歯周組織が破壊され、歯根が露出。 最終的には歯槽骨が大きく失われ、歯が抜け落ちる。