CHAPTER5
歯科医院で行う専門的な診察と検査
歯科での診察
食べるときのくちびる・ほお・あご・舌の動きを観察します
-
- 口腔機能
-
- ・一口量(多い・適量・少ない)
- ・食事のペース(速すぎる・適度・遅すぎる)
- ・くちびるの閉鎖機能(閉じられる・閉じられない)
- ・舌の位置(口腔内・口腔外)
- ・舌の運動機能(前後・上下・左右に動かす)
- ・あごの運動(ほとんど動かない・左右対称・左右非対称)
-
- 手と口の協調関係
-
- ・食べるときの肘の位置(肩より後方・肩と同位置・肩より前方)
- ・食べ物が口に入るときの位置(口の両脇・両脇と正面の間・ほぼ正面)
- ・食べるときのくちびるの使用(使用する・使用しない)
声を出そうとして音をつくる過程(構音)を観察します
構音障害の有無
- ・構音時の置換、省略、ゆがみの有無
- ・構音障害の種類(歯間化構音、側音化構音、口蓋化構音、鼻咽腔構音)
- ・器質性構音障害(口蓋裂などの構音器官の形態や機能の異常、歯列・咬合の異常、舌小帯の異常などに起因)
- ・運動性構音障害(発声発語運動を担う神経・筋の異常に起因)
- ・聴覚性構音障害(聴覚器官の異常によって起こる二次的構音障害)
- ・機能性構音障害(器質的に明らかな問題がないにも関わらず構音に誤りを生じる構音障害)
歯科での検査
舌圧測定法
- ・舌圧の測定は、測定器の受圧部(舌圧プローブ)を口蓋部にあてがい、くちびるを閉じ、舌で受圧部を口蓋部に向けて思い切り押しつぶしたときの最大舌圧を測定します。
- ・舌圧は、噛みつぶしたり飲み込んだりするときに食べ物を口の中でかたまりにし、咽頭に送り込むのに強く関係しています。舌圧検査は、口腔機能を定量的に検査する方法のひとつで、保険適用されています。
口唇閉鎖力測定法
- ・口唇閉鎖力は専用の医療機器によって計測します。
- ・口唇と舌の機能は関係していて、口唇閉鎖力の低下は鼻呼吸を口呼吸に移行させて口呼吸症候群を招き、正常な口腔やあご顔面の形態や機能の成長、発育を妨げます。その影響は全身に及ぶと考えられます。