●米国・予防医療研究班による歯科疾患予防のガイドライン(1988年) | |||||
疾患 | 予防的介入方法 | 根拠の質 | 勧告の強さ | ||
う蝕 | フッ化物 | 全身的…水道水フッ化物添加、錠剤 | T | A | |
局所的…歯磨剤、洗口剤、塗布 | T | A | |||
シーラント | T | A | |||
食事のコントロール | 甘いものを控える | U-1 | A | ||
就寝中の哺乳瓶使用は控える | V | B | |||
個人的な歯科衛生(フッ素非含有歯磨剤、フロス) | V | C | |||
定期的な歯科検診 | V | C | |||
歯周病 | プラークと歯石の除去 | 個人による口腔衛生 | T | A | |
スケーリング、ルートプレーニングによる専門家のケアと個人による口腔衛生を組み合わせた予防 | T | A | |||
クロルヘキシジン(ハイリスクグループのみ) | T | A | |||
定期的な歯科検診 | V | C | |||
咬合 異常 |
歯が抜けた後の空隙の維持 | U-2 | B | ||
6歳までに指しゃぶりの癖を直す | V | C | |||
口腔発育中の気道の保持 | V | C | |||
外傷 | 接触するスポーツ用のマウスガード | U-3 | A | ||
自動車のシートベルト | U-3 | A | |||
オートバイ用のヘルメット、フェイスシールド | V | C | |||
スケートボード用のヘルメット、マウスガード | V | C | |||
口腔癌 | 煙草をさける | 喫煙 | U-2 | A | |
無煙 | U-2 | A | |||
悪性になる前の病変の発見、リスクファクターの評価、カウンセリングの準備などを目的とした、年1回の口腔検診 | V | C | |||
●根拠の質 | |||||
T | : | 最低1つ以上の正しくデザインされた無作為コントロール研究から得られた根拠 | |||
U-1 | : | 無作為ではないがよくデザインされたコントロール研究から得られた根拠 | |||
U-2 | : | 1つ以上の施設または調査団体による、よくデザインされたコホート研究またはケースコントロール研究から得られた根拠 | |||
U-3 | : | 介入する場合としない場合についての、数回連続の調査から得られた根拠。 | |||
コントロールされない実験における劇的な結果はこのタイプ。 | |||||
ex. 1940年代におけるペニシリン治療の導入 | |||||
V | : | 臨床的経験、記述的研究、熟達した委員会の報告にもとづいた、社会的地位ある研究者の意見 | |||
●勧告の強さ | |||||
A | : | その項目を定期健診に含むべきだという勧告を支持する確かな根拠がある。 | |||
B | : | その項目を定期健診に含むべきだという勧告を支持する根拠がある。 | |||
C | : | その項目を定期健診に含むべきだという勧告を支持する根拠が乏しい。 | |||
しかし他の団体により勧告される可能性がある。 | |||||
D | : | その項目を定期健診に含まないという勧告を支持する根拠がある。 | |||
E | : | その項目を定期健診に含まないという勧告を支持する確かな根拠がある。 | |||
〈出典〉予防医療実践ガイドライン、米国予防医療研究班(福井次矢、箕輪良行監訳)、医学書院 |