自分の歯とお口を守る基礎知識

8020は、ライフステージに沿って

胎児期

妊娠期のお口の状態

妊娠中はホルモン分泌の変化により、口の中の唾液が酸性に傾き、むし歯や歯肉の炎症になりやすい状態にあります。歯周病は低体重児出産や早産の原因となることがあるので、定期的に歯の健診を受けるのが理想です。妊娠安定期には受診しましょう。

歯ブラシを口に入れるだけで気持ちが悪くなることが多く、歯みがきがおろそかになり、口の中に食べかすが残りやすくなります。

妊娠期のお口のトラブル

妊娠性エプーリス

歯ぐきに、できもの(良性)ができることがあります。ほとんどの場合は出産後に自然に消えます。治らない時は歯科を受診して下さい。
*エプーリス/身体の一部の組織が増殖したもの

口内炎や口角びらん

ビタミンやミネラルなどの不足により,口内炎や口唇の端にただれができやすくなります。予防のためにも、栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。

妊娠期のセルフケア

つわりなどで歯みがきができない時は、ぶくぶくうがいをしてお口を清潔に。だらだらと甘いものを食べることは控え、食べたら口をゆすいで、食べカスが口に残らないように気をつけましょう。
気分のよい時間帯に、ていねいに歯みがきしましょう。

妊娠期のプロフェッショナルケア

【歯科健診】つわりがおさまり、4〜6か月頃の安定期になったら歯科健診を受けましょう。

【歯科治療】つわり・流産・早産のリスクを考えて、安定期に受けるのが望ましいでしょう。

【受診時】母子健康手帳を出して、産婦人科医から注意を受けていることは、どんなことでも歯科医師に伝えましょう。

歯の形成期

子どもの歯は妊娠中につくられ、歯の質はこの時期にほぼ決まってしまいます。乳歯の芽である歯胚は、妊娠7週目頃からつくられます。妊娠4か月頃からは、歯胚にカルシウムやリンなどが沈着し、かたい歯がつくられていきます。

強い歯をつくる食べ物

母体の健康を保つことはもちろん、胎児への栄養補給としてバランスのとれた食生活が大切です。

・ビタミンA (歯のエナメル質の土台を仕上げる材料)
・ビタミンC (歯の象牙質の土台を仕上げる材料)
・ビタミンD (カルシウムの代謝や石灰化の調整役)
・良質のタンパク質 (歯の基質の材料)
・リンやカルシウム (石灰化のための材料)

【受診時】母子健康手帳を出して、産婦人科医から注意を受けていることは、どんなことでも歯科医師に伝えましょう。

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乳幼児期

乳歯のむし歯

乳歯は生後6〜8か月頃から生え始め、3歳頃に生え揃います。その後の2〜3年が最もむし歯になりやすい時期です。むし歯予防のためにも、定期的な健診を受けましょう。

歯みがきの習慣づけ

歯が生え始めた時からむし歯予防のスタートです。初めは毛先のやわらかい乳幼児用の歯ブラシやガーゼで歯の周りを拭き取ってあげましょう。

早いうちから歯ブラシを使って、歯をみがく習慣をつけることが大切です。

仕上げみがき

歯ブラシに慣れてくると子どもは自分でみがきますが、まだ上手にみがくことはできません。最後は保護者の方が必ず仕上げみがきをしてあげてください。

プロフェッショナルケア

奥歯の噛み合わせ部分には複雑な溝があり、ここに歯垢がたまり、むし歯にしてしまいがちです。かかりつけの歯科医院でフッ素(フッ化物)を塗ってもらうこともむし歯予防に有効です。

フッ化物の特性
フッ化物は、歯の表面の歯質を強くし、むし歯になりかかった歯の再石灰化(なおす働き)を促進します。
フッ化物は、歯垢の生成を抑えます。

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学童期

歯の交換期

2~3歳頃までに乳歯は生え揃いますが、永久歯の生え替わりは5~6歳から12~13歳頃までに行われます。

乳歯が抜けたり、永久歯が生えたりして、歯並びがデコボコしているので、歯ブラシの当て方に注意しましょう。

むし歯になりやすい第一大臼歯

乳歯の奥に生えてくる最初の永久歯、第一大臼歯は生涯にわたり咀嚼の中心となる歯です。ところが、生えるまでに1年〜1年半ほどもかかります。生えたては背が低く、歯ブラシの毛が届きにくいので、セルフケアでは図のように斜め横から当ててみがきましょう。

学童期 歯の磨き方

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思春期

歯肉炎の発症期

思春期はホルモンバランスの乱れや生活の変化により、歯ぐきの腫れや出血などの歯肉炎が起きやすい時期でもあります。歯みがきの時に、歯ぐきもチエックするようにしましょう。

【健康な歯ぐき】

◯歯ぐきの色:うすいピンク色
◯歯ぐきの形:歯間部にしっかりと入り込んで弾力性に富み、引き締まっている。

【歯肉炎】(歯ぐきのみに炎症が起きた場合)

歯と歯ぐきの境目に歯垢が付着。歯垢中の細菌が出す毒素により歯ぐきに炎症が起き、歯ぐきが赤く腫れてきます。そのために歯周ポケットと呼ばれる溝ができ、歯垢がますますたまりやすくなります。

◯歯ぐきの色:赤みを帯びている。
◯歯ぐきの形:歯間部の歯ぐきは、先端部(歯間乳頭部)が丸みをもってふくらんでくる。
◯その他:歯みがきなどの軽い刺激でも出血しやすい。

むし歯の増加期

思春期は歯ぐきのトラブルと並び、むし歯になりやすい時期でもあります。

外出時の飲食や、間食の増加など、むし歯に対するリスクが高くなってしまいます。 むし歯の原因となる歯垢をしっかり取り除くことが大切です。

セルフケアのポイント

◯歯と歯ぐきの境目
歯ブラシの毛先(わき)を歯と歯ぐきの境目に当て、細かく振動させてみがきます。

◯奥歯の噛み合わせ
噛み合わせ面に歯ブラシの毛先を直角に当て、細かく前後に動かしてみがく。

◯奥歯の後ろ側
歯ブラシの毛先を奥歯の後ろ側に当て、細かく前後・左右にみがく。

健康な歯ぐきと歯肉炎

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成人期

歯周炎の発症期

成人期は仕事や家事等の忙しさで、歯や歯ぐきのケアを怠りがちな時期です。日頃の自分の歯を磨くクセを見直し、磨き残しがないように入念に注意して磨きましょう。

歯肉炎が増加し、歯槽骨や歯根膜にまで炎症が進行した歯周炎もみられるようになります。1本1本時間をかけて丁寧に磨きましょう。

セルフケアのポイント

歯ぐきの炎症は、歯石が歯ぐきを刺激する ことで引き起こされる場合があります。歯みがきで歯垢をしっかり取り除けば、歯石はできません。

成人期セルフケアのポイント

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壮年期

歯の喪失期

40歳代以降は、歯周病などにより歯を失う人が増えてきます。働き盛りで歯科医院へ行く時間もなく、手遅れになりがちです。年に1~2回は、定期的に歯科健診を受けることが大切です。

歯根のむし歯に注意

年齢とともに歯ぐきが退縮し、歯根が出てくることがあります。この部分はエナメル質よりもやわらかく、むし歯になりやすいので注意が必要です。

セルフケアのポイント

歯と歯の間、歯周ポケットに届くよう毛先を使い丁寧に磨いてください。

差し歯や詰め物のある歯◯さし歯や詰め物のある歯
 さし歯のつぎ足した部分をよく注意してみがきます。
詰め物のある歯は、その周りがむし歯になりやすいので、毛先を当てて小刻みにみがくことが大切です。

歯間ブラシ◯歯間ブラシ
 歯と歯の間にすき間ができるようになったら、歯間ブラシで清掃を。挿入するときは、歯ぐきを傷つけないように注意してください。ブラシを水平にして、ゆっくり前後に2~3回動かします。

歯の根が出ている部分の清掃◯歯の根が出ている部分の清掃
 根の部分は歯垢がつきやすく、やわらかいのでむし歯になりがちです。毛先をしっかり当て、小刻みに動かしながら磨きましょう。

デンタルフロス◯デンタルフロス
 歯ブラシの毛先が届かない歯間部の清掃につかいます。フロスの両端を指に巻きつけ、歯と歯の間に歯面にそって挿入します。そして歯の側面をこすりながら2〜3回上下します。

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高齢期

喪失歯の急増期

65歳以降になると、歯を失うケースが増えてきます。70歳代では、1人当たりの平均喪失歯数は約*11本となっています。1本でも多くの自分の歯を残すようにすることが大切です。

8020は残っている歯が20本以上なければならないといった厳密なものではありません。80歳で20本を達成できないとしてもそれですべてがダメというわけではありません。たとえ歯の本数が減ったとしても、失った歯に入れ歯を入れ、残った歯を大切にし、「お口のケア」を続けようという意識が大切です。

よく噛むことによりあごの骨や筋肉が動いて血液の循環がよくなり、脳細胞の動きが活発になり、脳の老化を防ぎます。高齢者の場合、「歯が抜けてよく噛めない」、「軟らかい食べ物ばかりを食べてしまう」ということを繰り返すと、脳細胞への刺激が少なくなり、認知症につながります。

*厚生労働賞 平成23年「歯科疾患実態調査報告」より

入れ歯(義歯)と残っている歯のケア

部分入れ歯や総入れ歯に細菌が付着すると、歯ぐきに炎症を起こす原因にもなります。

また入れ歯に隣接した残っている歯は、汚れがたまりやすくむし歯になりやすいので、ていねいにみがく必要があります

セルフケアのポイント

◯部分入れ歯(局部義歯)

部分入れ歯は必ず外してから清掃します。ばねの部分は、小さい歯ブラシでていねいに清掃します。

◯総入れ歯(総義歯)

総入れ歯もはずして、義歯洗浄剤などで清掃します。義歯はやわらかいので、強くみがくと傷つくので注意しましょう。 また義歯に細菌がしみ込むと、入れ歯特有のニオイの原因になります。義歯洗浄剤には除菌効果があり、ニオイの発生を防ぐ効果もあります。

総入れ歯お手入れ方法

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